新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。

 昨年(2009年)は政権交代のあった年として、歴史に刻み込まれることになりますが、地理情報業界にとっては、大きな転換期として振り返られることになると思います。

 国の平成22年度の予算案では、92兆円あまりの支出に対して、税収が37兆円あまりで、いわゆる埋蔵金などの一時的な資金を活用してもほぼ半額は公債という名の借金でまかなわれるとされています。誰の目にも明らかなように、この状況は異常であり、継続して国家財政を運営していくことは無理でしょう。おそらく、歳入に見合った支出へと縮小させようとする強い圧力がかかり、社会的な必要性の有無を問わず、政権が「票」につながらないと判断した分野での予算削減が劇的に進むでしょう。国の財政状況は、多少の違いこそあれ、大方の地方自治体にも当てはまりますので、同様の動きが始まるでしょう、

 公的な支出にその多くを依存している”地理情報業界”は、こうした政府や地方自治体の財政状況の影響を大きく受けることになります。おそらく、今後は年率で二桁台の市場縮小となっていき、数年後には公的支出による市場規模が現在の半分以下になっているのではないでしょうか。

 一方、Googleに代表される、”地理情報クラウド”は、特に昨年からは定着と普及が進んでいます。こと「GIS」の基本機能に関しては、こうしたクラウドに任せてしまっても大丈夫なくらいで、その領域でツール提供やサービス提供を行っていた事業者は、市場での存在意義が問われ始めています。この影響は、公的支出の削減の影響よりも大きいものになると私は思います。なぜなら、既存の市場そのものが無くなってしまうくらいのインパクトを、わずか数年で与えることがあるからです。

 今年、2010年は、上記の公的支出の大幅削減、クラウド移行という二つの大きな流れによって、地理情報業界は試練に立たされると思っています。オークニーは、GeospatialなWebという領域で、オープンソース技術をベースにソリューションを提供する会社ですから、いわゆる”レガシー”な業態とは大きく異なります。しかし、大勢としては私の会社もこうした試練を受ける側にあると思っています。

 では、私の会社はどうあるべきか。試練を受けつつも、その中で必要とされる価値を提供し続け、成長を続けるためにはどうすればよいか。正直なところ、これはなかなか難しい連立方程式のようなものです。考えていれば答えが見つかるほど易しくもなさそうです。ただ、以前から私が指摘していることは、「地理情報業界はロングテール」であるということです。地理情報の活用は様々な領域で、様々な形態で有益となり得ます。どの領域でどのようにサービス提供を行うかを適切に判断することで、新たな道は切り開かれます。

 今年は寅年、私は年男になります。振り返ってみれば、おおむね12年単位くらいで、地理情報業界の様相が大きく変わってきました。24歳の時は電子地図の黎明を体験し、36歳の時は地理情報システムの勃興期にあたり、それぞれ私は自信のキャリアをそれぞれのテーマで蓄積してきました。さて、48歳になる今年はどんなテーマが訪れるでしょうか。

 本年の弊社も、引き続きお引き立て賜りますようお願いし、皆様におかれましては、本年のご多幸をお祈り申し上げます。

 2010年元旦
 株式会社オークニー 代表取締役 森亮

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